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NeXT SOUND BOX

 発掘の部屋、第1回に相応しい物品…。

前 横

 一見スピーカーのようにも見える黒い箱。 その名をSOUND BOXという。 これはNeXTというコンピュータの周辺機器なのだが、今となってはNeXTを知る者は少ないだろう。

ロゴ NeXT Station

 NeXT…それは、1989年に発表されたコンピュータである。 NeXT STEPというUNIX系OSを搭載するこのコンピュータは、その斬新なスタイルとコンセプトで話題を呼んだ。

 そしてこのコンピュータを世に送り出したのがNeXT Computer。 設立者はコンピュータ界のカリスマ、彼である。


 一見プレステ2の様にも見えるNeXT Station。 NeXTは大きく分けてサーバ向けのNeXT Cubeと、ワークステーション向けのNeXT Stationがある。
 Cubeはその名の通り四角形で、1辺が1フィートの直方体である。 そしてNeXT Stationは、Macintoshに見られるピザボックス型だ。

 発売された1989年当時、5インチMOや高水準DSPの搭載で注目を浴びた。
 そして極めつけに高解像度ディスプレイ。 標準のウィンドウシステムではPostScriptで画面を描画した。 つまり、これは完全なるWYSIWYG(What You See Is What You Get=見たまんま印刷)の実現を意味している。

 今考えてもマニアにはたまらないマシンだが、時代を先取りしすぎたNeXTは、当時の業界に受け入れられることはなかった。


 ちなみにNeXT社を設立したのはiMacで有名なあの人、スティーブジョブズである。

 一見似ても似つかないNeXTとiMacだが、実は面白い共通点がある。

1.形状

 形状といっても筐体の形ではなく、設置のトポロジだ。
 どちらのマシンも、電源コンセントからマウスまでが一直線に繋がることに注目して欲しい。

  • iMac:コンセント⇔本体⇔キーボード⇔マウス
  • NeXT:コンセント⇔本体⇔ディスプレイ⇔キーボード⇔マウス
2.ネットワーク機能  iMac は発売から少したってネットワーク起動のサポートが騒がれたが、実は初期のリビジョンから備わっている機能だ。
 そしてNeXTも1989年の発売当初からネットワーク起動が標準でサポートされていた。

 NeXTで失敗したジョブズの斬新さは、1998年に違った角度で復活した。 それがiMac。

 このパソコンが、失墜したAppleを一気に復活させたのは記憶に新しい。 まったく…彼のような人間が真の『カリスマ』だ。


背面

 さて、SOUND BOXに話を戻す…。

 正面・横には何もない…。 では背面を見てみよう。 幾つかの怪しい端子が並んでいる。 スピーカーなら、音声の入力があるはずなのだが…。

バックパネル

 左から順に、

  • ヘッドホン用出力
  • ラインアウト(ビデオデッキなんかに付いてるアレ)
  • NeXTに接続
  • ADB
  • マイク入力

だ。

 あれ? 音声入力は?

 『ADB』は主にMacintoshで用いられるバスで、キーボードやマウス・モデムを接続するのに用いられる。
 3台まで繋げる規格らしいが、もっと繋がると聞いたこともある。(^^; ちなみに、Apple Desktop Busの略だ。

 そして『NeXTに接続』。 調べてみたが正式な名称はわからなかった。
 SOUND BOXからNeXT本体への接続は、この端子から延びる1本のみ。 つまりこの中をADBデータや音声情報が流れるわけだ…。


 さて、これまでにSOUND BOXについてわかったことは…NeXTが無いと無意味

ひん剥いてみました

 分解して中のスピーカーに直接音声を…。 あ、そこら辺のアンプを内蔵して…って、電源はどっから取るんだ?
 じゃぁケースに穴を開けて外部から…って、そうすると折角の外観にキズが…って、あうあう…

 さて、NeXTを買っちゃいますか!(つづく)

本日の発掘………失敗


2003/06/06:こっそり追記

 実はこのテキストを書いた直後、ヤフーオークションでNeXT Station本体を購入している。
 キーボードやマウスはMacintoshのものを用い、ディスプレイは変換ケーブルでナナオに繋げた…。

 本体の電源が入って初期画面の表示を確認したのだが、それ以降は研究していない…。

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